国家の品格 2014 8 10
「円銀」という銀貨を知っていますか。
この銀貨は、明治4年(1871年)から大正3年(1914年)まで製造されました。
明治時代の銀貨というと、どんなイメージでしょうか。
「あの頃は、特に明治の初めは、
まだ日本は工業国ではなかったので、
銀貨も、粗末なものだったかもしれない」と思ったでしょうか。
これは、大いなる誤解です。
明治の「円銀」と比べると、
今の100円硬貨や500円硬貨は、まるで子供の玩具のように見えます。
現代の硬貨は、あまりにも安っぽく、
子供が、「ままごと遊び」に使うようなコインに近いでしょう。
それほど、明治の「円銀」は、立派なものでした。
大きさは、100円硬貨の2倍以上、厚さも2倍近いでしょう。
欧州の銀貨と比べても、決して見劣りしない大型銀貨でした。
明治時代の日本は、国家の威信をかけて、この銀貨を作ったのでしょう。
第二次世界大戦後、日本政府は、
記念銀貨を作っていますが、
明治の「円銀」と比較すると、
やはり「安っぽさ」は否定できません。
最近も、記念銀貨を発行しています。
確かに、デザインは美しいものですが、
「円銀」にあるような「威厳」というものは、全く感じられません。
現代の日本は、世界最大の債権大国と言われていますが、
明治時代の日本と比べて、失ったものが、あまりにも多いと思います。
確かに、日本は、金持ち国家になりました。
しかし、国家の誇りは、ありますか。
「明治の日本」と「平成の日本」。
はたして、「日本文明」は進化しているのか。
それとも、退化しているのか。
少なくとも、国家の品格に関しては、
明治時代の日本の方が、優れていると思います。
ちなみに、明治時代の50銭銀貨も20銭銀貨も立派なものです。
10銭銀貨も優れていると言えるでしょう。